クセになる?フジ子・ヘミング独特のテンポ
こんにちは,彳亍ですm(_ _)m
食欲の秋ですね~.この時期は普段の1.5倍くら食い意地が張っている気がします.
今回はフジ子・ヘミングについてお話しますね
- アーティスト: フジ子・ヘミング,ショパン,リスト
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1999/08/25
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 135回
- この商品を含むブログ (47件) を見る
貧しい生活や,活動中に聴力を失うことがありながらも,あきらめず努力で立ち直った奇跡のピアニスト,フジ子・ヘミング.
この人のCDでも最も有名なのはデビューCDでもあるこの「奇蹟のカンパネラ」でしょう.いずれも,クラシック初心者でも「あ,聴いたことある」と思うような曲が沢山あります.
賛否両論!?フジ子・ヘミングのピアノ
たまにいろんな方のフジ子・ヘミングに対する評価を見たりするのですが,気持ちいいくらいに真っ二つに意見が分かれていますね.
CDではもちろんあまり感じませんが,コンサートを見るとテンポも遅く,そしてプロにしてはミスタッチがかなり多め.
これが単純に下手という人と,このテンポからフジ子特有の魅力があるという人がいます.
演奏を聴いた感じ方なんて十人十色ですから,意見が分かれるのは当然ですよね.
フジ子・ヘミングの演奏に対する直感的な感想
ジブンも最初に彼女の演奏を聴いたのはこのCDでした.
このCDの中だととりわけ特徴的なのはラ・カンパネラでしょうか?
初めて聴いたときは「遅っ!!」と思ってしまいました笑
いや,これ程の難曲の数々をこのこのテンポでも弾きこなすのはさすがはプロなのですが...
アンドレ・ワッツやユンディ・リの演奏を知ってしまっているからでしょうかね.彼女の演奏と比べると彼らのラ・カンパネラは1.5倍速に聴こえてしまいますね.
でも不思議な感じですが何回も聴いているとなかなかクセになる.「こういう演奏もアリなのかな~?」とだんだん納得させられてしまうんですよね.そこもやっぱり彼女のなせる技なのでしょうか?
続くリストの「愛の夢」やショパンの「エオリアンハープ」は逆にこのテンポのほうがしっくりくる.こちらは聴いていて心地よい感じです.
これはジブンの見解に過ぎないのですが,フジ子・ヘミングの演奏の独特さって,小説家に例えるなら村上春樹に近いものがあるんじゃないかと思います.
ノルウェイの森や1Q84など,読み進めていくと作中で性描写が何回も出てきますよね.村上春樹の作風もまた独特で,ちょっとやそっとじゃ真似できません.
その独特さ故にもちろん賛否両論ありますが,これを「単なるエロ小説だ」と投げ出してしまうのか,「これがムラカミワールドなんだ」とこの世界観にひき込まれていくのか,こちらも二通りに分かれるんじゃないでしょうか.
フジ子・ヘミングの演奏も同じだと思いますよ.
テンポが遅くてもミスタッチが多くても,「これがフジ子ワールドなんだ」という強い主張が彼女の演奏から伝わってきます.
それをどのように受け止めるかは,聴いてる本人次第になるでしょうね.
終わりに
以前彼女のドキュメンタリーが放送されていました.そのドラマを見る限りですが,とんでもなく壮絶な人生を歩んでいますね.
普通なら耳が聞こえなくなった時点で挫折しそうなものですが,それでも諦めなかった強さが彼女の魅力を引き立たせている感じがします.
皆さんもぜひ,この独特かつ生命力あふれるピアノを味わってみてくださいね!
今回はこんなところで.ではでは(^_^)/