【書評】~小話は男の小道具~「開口一番」レビュー
こんにちは,彳亍です.
最近加湿器を導入しました.
煙の出るオシャレなものですが,気を許してつけたままで寝ると朝周りが水びだしになっていました...
性能のあまり高くない加湿器を使うときは飽和状態のその先まで読む必要がありそうです.
開高健さんの作品を読むのはこれが初めて.
こちら開口さんの小話をまとめたエッセイとなっていますが,とても読みやすく,内容の面白さも手伝ってあっという間に読み終えてしまいました.
人柄が表れているエッセイ
単に今まで読んでこなかっただけかもしれませんが,「エッセイ」と聞くとジブンの中ではちょっとだけ堅苦しいイメージしか持っていませんでした.
でもこの作品はちょっと違います.
開高さんがちょっと小話を用意してきて,読み手に軽い感じで話す.
我々読み手はその話をふんふんと聞く.
時折出てくるジョークにクスッと笑う.
開高さんの底知れない知識に「へぇー」と関心する......
といったように,まるで開高さんと対談しているような,そんな気軽な感じで読みました.
多彩なエピソードの数々
様々な小話が詰め込まれた本作品ですが,パッと読んでも開高さんの才能が垣間見えることでしょう.
エピソードは本人の大好きな釣りをはじめ,料理,酒,旅など,一見ありふれたジャンルに感じます.
ですが,そのひとつひとつはちょっとやそっとじゃ経験できなそうなものばかり.
世界中を旅して,あらゆるものを見て,感じて,聞いて,食べて,得た経験がないと書けないものだと改めて考えました.
また全てのエピソードに開高さん渾身の「オチ」が埋め込まれていますね.
老若男女問わず,くすっと笑ってしまったり,腹を抱えて笑うこともあるかもしれませんね~.
自由奔放な文章で書かれたエッセイにも見えますが,所々に本人の謙虚さも垣間見える.
開高さんの人柄があふれているようです.
終わりに
いろんな貴重な体験をして,それを小話にして周りにアウトプットする.
数多くのユーモアあふれる小話は男のアクセサリーかも知れませぬ.
多彩で魅力的な開高さんの作品をもっと読んでみたいと思いました.
今回はこんなところで.ではでは(^_^)/