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【書評】朝井リョウ「何者」のレビュー

こんにちは.3月が近づいてきて,就活の時期が近づいていますね.

 

リリースされたのは少し前,ですが,朝井リョウさんの「何者」を実にタイムリーな時期に読みました.

 

就活生ならば,この本を読むタイミングは考えなければいけないかもしれません.

これを読んで奮起する可能性もありますし,はたまたメンタルがえぐられる可能性だってあると思います.

 

「何者」に登場する人物は,周りに結構ありふれている人々かも知れません.

 

地道にコツコツと物事をこなす瑞月や,就活のためにボランティアやインターンを経験している,所謂「意識が高い」理香,楽観的で壁をひょいと超えてしまうような光太郎...

 

周りに流されずに確固たる信念を貫く隆良のような人物だって,珍しくはないと思います.

 

就活を舞台に登場する個性豊かな人々ですが,一番共感ができたのは主人公の拓人でした.

 

一番共感し,一番批判し,同時にブーメランをくらいました.

 

主人公の拓人は所謂「冷静分析系」.

 

常に物事を一歩ひいて観察し,それを口には出さないものの,批判をいつも抱えており,SNSでそれを吐き出し続けています.

 

客観的に見れば性格の悪い主人公,ということになりますよね.

しかし,自分はこの主人公を他人事のように感じられませんでした.

 

それだけに,背表紙にもありますが,ラストの30頁はかなり自分の身にも刺さります.里香の拓人に対する糾弾はまるで自分にも降り注いでいるようも思えました.

 

 

SNSとは怖いものです.

隠せていると思うアカウントだって,メールアドレス一本でばれてしまう可能性もあるのですから.

 

批判を表には出さずに,自分の分析を陰で暴露する...

「冷静分析系」はTwitterが普及した現在の大学生の特徴の一つかもしれません.

 

そして作中の登場人物をまた分析してしまっているあたり,自分も同類かもしれません(笑)

 

 

今回はこんなところで.

お読みくださってありがとうございます.

 

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)